3月の誕生石は、アクアマリン、珊瑚(サンゴ)、ブラッドストーン、アイオライトの4つです。もともとはアクアマリンと珊瑚の2つでしたが、2021年12月に63年ぶりの改訂が行われ、ブラッドストーンとアイオライトが加わりました。4つとも正式な3月の誕生石です。石言葉は「沈着」「幸福」「勇気」など。なお珊瑚は鉱物ではなく、真珠と同じ「有機質宝石」に分類される、少し特別な存在です。
「3月の誕生石といえばアクアマリン」——そう覚えている方は多いはずです。でも実のところ、3月の誕生石は全部で4つあります。しかもそのうち一つは、鉱物ではない特別な宝石。この記事では、4つの石それぞれの意味と石言葉、そして知っておきたい豆知識までを、わかりやすく整理していきます。
3月の誕生石は4つある
3月の誕生石は、次の4つです。青、赤、緑と色の幅がとても広く、雰囲気もそれぞれ大きく異なります。
| 宝石 | 石言葉(伝承)と特徴 |
|---|---|
| アクアマリン | 沈着・勇敢・聡明。透明感のある海のような青。 |
| 珊瑚(サンゴ) | 幸福・長寿。鉱物ではない有機質宝石。赤や桃色。 |
| ブラッドストーン | 勇気・献身。濃い緑に赤い斑点が散る。 |
| アイオライト | 誠実・洞察力。角度で色が変わる青紫。 |
※石言葉は古くからの言い伝えであり、効果を保証するものではありません。
4つのうち、アクアマリンと珊瑚は1958年からの伝統的な誕生石。ブラッドストーンとアイオライトは、2021年に新しく加わったものです。どれを選んでも正解ですから、好みで自由に選んでいただいて問題ありません。
アクアマリン|海の水という名の石
3月の誕生石の代表格といえるのが、アクアマリンです。名前の由来は、ラテン語の「アクア(水)」と「マリーヌス(海の)」を合わせたもので、意味はそのまま「海の水」。その名のとおり、透明感のある淡い青が最大の魅力です。古くから船乗りたちの守護石とされ、安全な航海を願うお守りとして親しまれてきました。石言葉は「沈着」「勇敢」「聡明」。心の波を穏やかにし、冷静さをもたらすと言い伝えられています。春の始まりを迎える3月に、じつにふさわしい清らかさを持った石といえるでしょう。
珊瑚(サンゴ)|鉱物ではない宝石
珊瑚は、3月の誕生石のなかでもとくに特別な存在です。というのも、珊瑚は地中で結晶化した鉱物ではなく、海に生きる珊瑚虫の骨格が長い年月をかけて宝石になったもの。つまり、生き物に由来する宝石なのです。このような宝石は「有機質宝石」と呼ばれ、真珠や琥珀(こはく)も同じ仲間に分類されます。日本の近海でも良質なものが採れることで知られており、古くは赤ちゃんのお守りや魔除けとしても用いられてきました。石言葉は「幸福」そして「長寿」。私たち日本人にとっては、もっとも身近な宝石の一つといえるかもしれません。
なお、珊瑚を選ぶときに知っておきたいのが、市場には模造品も出回っているという点です。プラスチックや樹脂で作られた模造珊瑚、あるいは色の淡い珊瑚を染めたものなど、見た目だけでは判断が難しいものもあります。本物の珊瑚には、表面に木目のような細かい成長の筋が見られることが多く、これが見分ける一つの手がかりになります。とはいえ最終的な判断は専門的な知識を要するため、高価な品を選ぶ際は、信頼できるお店で購入することが、何よりも大切です。
ブラッドストーン|赤い斑点を持つ緑石
ブラッドストーンは、2021年の改訂で新たに3月の誕生石に加わった石です。深い緑色の地に、点々と赤い斑点が散っているのが最大の特徴。この赤い模様が血のしずくを思わせることから、「ブラッドストーン(血の石)」と名付けられました。和名では「血石(けっせき)」とも呼ばれます。石言葉は「勇気」「献身」。古くから、困難に立ち向かうための強さを与えてくれる石として、大切にされてきました。他の誕生石とは一線を画す、どこか力強い佇まいが魅力の石です。
アイオライト|角度で色が変わる石
アイオライトも、2021年に追加された新しい3月の誕生石です。最大の特徴は「多色性」——見る角度によって、色が青から紫、ときには淡い黄色がかった色へと変化します。この不思議な性質は、12月の誕生石であるタンザナイトにも見られるもので、宝石好きの心をつかんで離しません。石言葉は「誠実」「洞察力」。落ち着いた青紫の色合いは、日常づかいのジュエリーとしても取り入れやすく、近年じわじわと人気が高まってきています。
なぜ4つもあるの?2021年の改訂
「サイトによって書いてある石が違う」と感じたことはありませんか。理由は、誕生石が改訂されたからです。日本の誕生石は、1958年に全国宝石卸商協同組合が制定したものが基準でした。しかし2021年12月、実に63年ぶりの改訂が行われ、全体で10種類の石が新たに追加されたのです。3月については、従来のアクアマリンと珊瑚に、ブラッドストーンとアイオライトが加わりました。古い情報を載せたサイトでは2つ、新しい情報なら4つと書かれている——これが食い違いの正体です。もちろん現在では、4つとも正式な3月の誕生石とされています。
そもそも誕生石という文化は、旧約聖書に登場する祭司の胸当てにはめ込まれた12種類の宝石が起源の一つとされています。それが時代を経て、1912年にアメリカの宝石商組合が現在に近い形を定め、日本では1958年に独自の一覧が制定されました。つまり誕生石は、国や時代とともに姿を変えながら受け継がれてきた文化なのです。2021年の改訂も、その流れのなかにある出来事といえるでしょう。
選び方と手入れのポイント
3月の誕生石を選ぶヒント
- 色で選ぶ:清らかな水色ならアクアマリン、赤や桃色なら珊瑚、深緑ならブラッドストーン、青紫ならアイオライト。
- 石言葉で選ぶ:冷静さを願うならアクアマリン、健やかさを願うなら珊瑚、勇気が欲しいときはブラッドストーン。
- 手入れのしやすさ:珊瑚は有機質宝石のため酸や熱に弱く、汗や化粧品にも注意が必要。
- 贈り物として:卒業や入学など、節目の多い3月は誕生石の贈り物にぴったり。
とくに気をつけたいのが珊瑚です。有機質宝石は硬度が低く、酸や熱に弱い性質があります。汗や化粧品、酸性の液体が付着したままにすると、表面のつやが失われることも。身につけたあとは、柔らかい布でやさしく拭いてから、しまうようにしましょう。超音波洗浄機の使用は避けるのが無難です。真珠の扱いについては「真珠の価値と本物の見分け方」もあわせてご覧ください。
もう一つ、アクアマリンについて補足しておきます。アクアマリンは、エメラルドと同じ「ベリル」という鉱物の仲間です。同じ鉱物でありながら、含まれる微量な成分の違いによって、片方は深い緑のエメラルドに、もう片方は淡い青のアクアマリンになります。同じ生まれの石が、これほど違う顔を持つ——宝石の面白さが凝縮された例といえるでしょう。ちなみにエメラルドは5月の誕生石です。3月生まれと5月生まれは、実は同じ鉱物の兄弟石を持っていることになります。
よくある質問(FAQ)
3月の誕生石は何ですか?
アクアマリン、珊瑚(サンゴ)、ブラッドストーン、アイオライトの4つです。2021年12月の改訂でブラッドストーンとアイオライトが加わりました。
なぜサイトによって書いてある石が違うのですか?
2021年に63年ぶりの改訂があったためです。改訂前はアクアマリンと珊瑚の2つ、改訂後は4つと記載されます。現在は4つとも正しい誕生石です。
珊瑚は宝石なのですか?
宝石です。ただし地中で結晶化した鉱物ではなく、珊瑚虫の骨格が宝石になったもので、真珠や琥珀と同じ「有機質宝石」に分類されます。
アイオライトはどんな石ですか?
見る角度によって色が変わる「多色性」が特徴の石です。青から紫へと表情を変えます。2021年に3月の誕生石として追加されました。
4つのうちどれを選ぶべきですか?
どれを選んでも間違いではありません。色の好み、石言葉、手入れのしやすさなどから、自分が美しいと感じるものを選ぶとよいでしょう。
珊瑚の手入れで注意することは?
有機質宝石のため硬度が低く、酸や熱に弱い性質があります。汗や化粧品を避け、使用後は柔らかい布で拭き取りましょう。超音波洗浄は避けてください。
また、宝石は同じ種類でも、色の濃さや透明感で印象が大きく変わります。アクアマリンなら、ごく淡い水色から、しっかりと青みの強いものまで幅があり、一般に色が濃く鮮やかなものほど価値は高くなる傾向です。とはいえ、淡い色には淡い色の清らかな美しさがあります。価値の高低だけで選ぶ必要はありません。写真だけで決めず、できれば実物を手に取って、自分の目で確かめてみてください。
まとめ|4つから好きな一石を
3月の誕生石は、アクアマリン、珊瑚、ブラッドストーン、アイオライトの4つ。2021年の改訂で2つが加わり、選択肢が広がりました。海のような青のアクアマリン、鉱物ではない有機質宝石の珊瑚、赤い斑点が力強いブラッドストーン、角度で色が変わるアイオライト——それぞれまったく違う個性を持っています。4つとも正式な誕生石ですから、もし迷ったら「自分が一番美しいと感じるもの」を選んでみてください。最後に、要点を振り返ります。
- 3月の誕生石は4つある
- 2021年にブラッドストーンとアイオライトが追加
- アクアマリンは「海の水」の意味
- 珊瑚は鉱物ではない有機質宝石
- アイオライトは角度で色が変わる
- 珊瑚は酸と熱に弱く手入れに注意
参考・出典
※石言葉や伝承は古くからの言い伝えであり、科学的な効果を示すものではありません。誕生石の制定内容は改訂される場合があります。