9月の誕生石は「サファイア」と「クンツァイト」です。クンツァイトは2021年の改訂で新たに加わりました。サファイアはコランダムという鉱物で、モース硬度9(ダイヤに次ぐ硬さ)を誇る四大宝石のひとつ。石言葉は「誠実・慈愛・徳望」。青のイメージが強いですが、実はピンクや黄色など多彩な色があります。なお、流通するサファイアの多くは加熱処理されており、非加熱のものは希少です。
深く澄んだ青が美しいサファイアは、9月生まれの方への贈り物としても人気の宝石です。でも「サファイアってどんな石?」「青以外もあるの?」「もう一つの誕生石クンツァイトって?」——気になることは意外と多いもの。この記事では、9月の誕生石サファイアの意味・色・歴史から、もう一つの誕生石クンツァイト、お手入れまで、正確さを大切にたっぷり解説します。
9月の誕生石は「サファイア」と「クンツァイト」
9月の誕生石といえばサファイアが有名ですが、実はもうひとつ「クンツァイト」があります。これは2021年12月の改訂で新たに追加された宝石です。日本の誕生石は全国宝石卸商協同組合が定めており、日本ジュエリー協会などの賛同を得て、63年ぶりに10種類が追加されました。クンツァイトはそのひとつで、9月の誕生石にクンツァイトを採用しているのは日本ならではの特徴です。
誕生石全体の一覧は「誕生石一覧【2021年改訂版】」でまとめています。まずは9月の主役・サファイアから見ていきましょう。
サファイアとは?まず知りたい基礎知識
サファイアは「コランダム」という鉱物の一種で、主成分は酸化アルミニウムです。モース硬度は9と非常に硬く、これはダイヤモンド(硬度10)に次ぐ硬さ。傷がつきにくく、耐久性に優れた宝石です。そのため、ダイヤモンド・ルビー・エメラルドと並んで「世界四大宝石」のひとつに数えられています。
名前の由来は、ラテン語で「青」を意味する「sapphirus(サッピルス)」から。和名では「青玉(せいぎょく)」や「蒼玉(そうぎょく)」と呼ばれ、いずれも青にちなんだ名前がつけられています。古くから、青い宝石の代表格として親しまれてきたことがうかがえます。
| 鉱物名 | コランダム(酸化アルミニウム) |
|---|---|
| モース硬度 | 9(ダイヤモンドに次ぐ硬さ) |
| 主な色 | ブルー、ピンク、イエロー、オレンジ、パープルなど |
| 主な産地 | スリランカ、ミャンマー、カシミール、タイ、マダガスカルなど |
| 石言葉 | 誠実・慈愛・徳望 など |
サファイアの石言葉と意味
サファイアの石言葉は「誠実」「慈愛」「徳望」など。人としての品格や、まっすぐな心を表す言葉が並びます。深く澄んだ青色が、天空や宇宙を思わせ、精神的な高潔さや真実を追い求める姿勢を象徴するとされてきました。
また、サファイアの青には気持ちを落ち着かせ、冷静な判断力を高める効果があるとも言われます。集中力を高めたい方、誠実な人間関係を築きたい方のお守りとして、また目標に向かう人への贈り物としてもふさわしい宝石です。9月生まれの方へのプレゼントはもちろん、自分へのご褒美にもぴったりでしょう。
サファイアの色は青だけじゃない
「サファイア=青」というイメージが強いですが、実はとても多彩な色を持つ宝石です。青以外のサファイアは「ファンシーカラーサファイア」と呼ばれます。代表的な色と特徴を見てみましょう。
ブルーサファイア
最も有名な青色。濃く彩度が高く透明感のあるものほど高評価です。カシミール産の「コーンフラワーブルー」は最高峰とされます。
ピンク・イエローなど
ピンク、イエロー、オレンジ、グリーン、パープルなど多彩。含まれる微量成分の違いで色が変わります。
パパラチアサファイア
ピンクとオレンジが溶け合った色合いの希少石。パライバトルマリン・アレキサンドライトと並ぶ「世界三大希少石」のひとつです。
スターサファイア
光を当てると星のような光の筋(スター効果)が現れる希少なサファイア。神秘的な輝きで珍重されます。
ちなみに、赤いコランダムだけは「ルビー」と呼ばれるため、「レッドサファイア」という宝石は存在しません。同じ色でも呼び名が変わるのは、サファイアならではの面白いところです。
サファイアは世界各地で産出され、産地によって色や個性に違いがあります。かつて最高峰とされたカシミール産(コーンフラワーブルー)は現在ほぼ採掘が終わり、「幻のサファイア」とも呼ばれます。現在はスリランカ産が流通の中心で、透明感のある明るい青が特徴。ミャンマー産は濃く深い青で知られています。産地は価値にも影響するため、上質なサファイアを選ぶ際のひとつの手がかりになります。
サファイアとルビーは、実は同じ石
意外に思われるかもしれませんが、サファイアとルビーは、もとは同じ「コランダム」という鉱物です。純粋なコランダムは無色ですが、含まれる微量成分によって色が変わります。
| ルビー | コランダムにクロムが約1%含まれて赤くなったもの |
|---|---|
| サファイア | コランダムに鉄・チタンなどが含まれて青くなったもの(赤以外の色すべて) |
※つまり「赤いコランダム=ルビー」「それ以外=サファイア」。7月の誕生石ルビーとは兄弟のような関係です。
サファイアの「加熱処理」について
サファイアを選ぶうえで知っておきたいのが「加熱処理」です。実は、市場に流通するサファイアの大多数は加熱処理されています。加熱によって、内包物を目立たなくしたり、透明度を上げたり、色味を美しく整えたりできるためです。
加熱処理は一般的に行われているもので、それ自体が問題というわけではありません。一方、まったく手を加えていない「非加熱(ノーヒート)」のサファイアは希少で、価値も高くなります。加熱・非加熱の区別は、鑑別機関の検査で確認できます。処理の有無が気になる場合は、鑑別書を確認するのが確実です。鑑別については「鑑定書と鑑別書の違い」もご覧ください。
サファイアの歴史と伝説
サファイアは古代から「神に近い石」として崇められ、王族や聖職者に愛されてきました。その気高い青と「誠実」の象徴性から「王の石(Stone of Kings)」とも呼ばれ、王冠などにも用いられています。
特に有名なのが、イギリス王室とのつながりです。かつてダイアナ元妃に贈られたサファイアの婚約指輪は、現在キャサリン妃に受け継がれ、世界中で知られています。時代を超えて愛される、格式高い宝石なのです。なお、サファイアは結婚45周年(サファイア婚式)の記念石ともされています。
もう一つの9月の誕生石「クンツァイト」
2021年に9月の誕生石へ加わったのがクンツァイト。淡いライラックピンク(紫がかったピンク)が美しい宝石です。「スポジュメン」という鉱物の一種で、20世紀初頭にアメリカの宝石学者クンツ博士にちなんで名づけられました。
クンツァイトの石言葉は「無償の愛」「純粋」「癒やし」など。見る角度で色が変わる「多色性」や、光を受けた後に暗い場所でほのかに光る「燐光性」といった性質も持ちます。
クンツァイトは取り扱いに注意
美しいクンツァイトですが、一定方向に割れやすい(劈開性)、紫外線で色があせやすい(褪色性)という繊細な一面もあります。強い衝撃を避け、長時間直射日光に当てない保管を心がけると、美しさを長く保てます。
サファイアのお手入れと選び方
サファイアは硬度が高く、比較的扱いやすい宝石です。とはいえ、硬いことと「割れにくい」ことは別。強い衝撃を受けると欠けることもあるため、ぶつけないよう気をつけましょう。使用後はやわらかい布で皮脂や汚れを拭き取り、他の宝石とぶつからないよう個別に保管すると安心です。
品質を見るときの目安は、色の鮮やかさ・濃さ・透明度です。濃すぎず淡すぎず、鮮やかで澄んだ青ほど高く評価されます。とはいえ、最終的には「自分が美しいと感じるか」が何より大切。選び方に決まりはありません。定番のブルーはもちろん、ピンクやイエローなど、好みの色や石言葉で自由に選んで大丈夫です。9月生まれの方への贈り物なら、相手の雰囲気に合う色を選ぶと、より喜ばれるでしょう。宝石そのものをもっと知りたい方は「宝石図鑑」もあわせてご覧ください。
よくある質問(FAQ)
9月の誕生石は何ですか?
サファイアと、2021年に追加されたクンツァイトの2つです。サファイアは世界的にも9月の誕生石とされていますが、クンツァイトを採用しているのは日本ならではの特徴です。
サファイアの石言葉は何ですか?
「誠実」「慈愛」「徳望」などです。品格やまっすぐな心を象徴し、深い青は冷静さや精神の高潔さを表すとされています。
サファイアは青以外の色もありますか?
あります。赤以外のコランダムはすべてサファイアと呼ばれ、ピンク・イエロー・オレンジなど多彩です。青以外はファンシーカラーサファイアと呼ばれ、希少なパパラチアサファイアも人気です。
サファイアとルビーの違いは何ですか?
どちらも同じコランダムという鉱物です。クロムを含んで赤くなったものがルビー、鉄やチタンなどを含んで青くなったもの(赤以外の色すべて)がサファイアです。
サファイアは加熱処理されているのですか?
市場に流通するサファイアの大多数は加熱処理されています。処理していない非加熱(ノーヒート)のものは希少で、価値も高くなります。加熱の有無は鑑別で確認できます。
クンツァイトはなぜ9月の誕生石なのですか?
2021年の日本の誕生石改訂で、9月の誕生石として新たに追加されたためです。淡いピンクが美しく、「無償の愛」などの石言葉を持ちます。
まとめ|9月生まれは誠実の青を味方に
9月の誕生石サファイアは、「誠実・慈愛・徳望」を象徴する、気品ある宝石です。青だけでなく多彩な色があり、もうひとつの誕生石クンツァイトとあわせて、選ぶ楽しみが広がります。要点を振り返りましょう。
- 9月の誕生石はサファイアとクンツァイト(2021追加)
- サファイアはコランダム、硬度9の四大宝石
- 石言葉は誠実・慈愛・徳望
- 青以外にピンク・黄など多彩な色
- ルビーと同じ鉱物(赤以外がサファイア)
- 流通の多くは加熱処理/非加熱は希少
参考・出典
※石言葉や歴史には諸説あります。宝石の詳細や処理の有無は各機関の公式情報・鑑別書をご確認ください。